【効果まとめ】マスク着用の筋トレは高地トレーニング?【前編】

最近はコロナの影響によりジムの休館が相次いでおります。

また、仕事も在宅ワークとなり不要な外出もできずストレスを抱えておられる方も多々いるでしょう。

そんな中、運動不足解消目的でマスクを着用しながらジョギングを始められている方も見受けられます。

マスクを着用しての運動は漫画などでも散見され、それらの多くが肺機能の向上を目的とされていることが多いです。

JOJO2部の主人公ジョセフ・ジョースターが呼吸法矯正マスクを装着しての地獄昇柱

アイシールド21の泥門は王城戦に向けて、濡れたマスクを常時着用することで心肺機能向上を行うなど

ではこれらのように、マスク着用での運動は効果があるのでしょうか。

トレーニング専用のマスクがある!?

海外製品がメインになりますが、トレーニング専用のマスクもあります。

これは海外の通販でのトレーニングマスクのサイトの抜粋です。

価格帯は日本円で5000円~8000円くらいといった感じですね。高いものだと1万円前後のものもありました。

また、これら商品サイトでは以下のような謳い文句がされております。

トレーニングマスクは医学教授との研究により、短時間で心拍数を上げられるため、室内トレーニングでのダイエット・減量などにも使えます。
商品の中には、強度を調節できるものもあり、それらでは初心者の場合は少しずつ慣れてくるにつれて強度を変更していけます。

などなど。

では、これらマスクの臨床実験より普段のマスク着用の効果を検証していきます。

マスクを着けて、筋トレをやってみた ※1

文献名:Acute Effects of the Elevation Training Mask on Strength Performance in Recreational Weight lifters

(レクリエーションウェイトリフターの筋力パフォーマンスに対する標高トレーニングマスクの急性効果)

この論文はThe Journal of Strength & Conditioning Research: February 2018 - Volume 32 - Issue 2 - p 482-489に掲載されており、米ウィスコンシン大学ラクロス校のアンドリュー・R・ジャギム氏らによって発表されたものです。

研究対象

・男性のウエイトリフティング選手20名

研究目的

・筋トレのパフォーマンス、代謝ストレスマーカー、および精神的疲労に対するトレーニングマスクの急性効果の確認

研究プロトコル

➀選手20名をマスクをつけるグループとつけないグループに分ける。

➁バックスクワットとベンチプレスという2種目のトレーニングと、スプリントテストを行う。

➂トレーニングの評価には、ベースラインと運動後の血中乳酸と酸素飽和度を測定。パフォーマンス評価は、ピークおよびバーの平均速度比較、全体成績とした。

結果

・参加者の12%(3名)で有害な副作用あり。(軽い頭痛、不安、および不快感)

・筋トレの重量としてのパフォーマンスに差はみられなかった。

・マスク着用でのバックスクワット、ベンチプレス、およびスプリントテスト中に、より低いピーク速度が確認された(p = 0.04)

・血中乳酸値は、マスク着用状態のベンチプレスとスプリントの後に低かった(p <0.001)

・マスク着用したグループは着用していないグループと比べて、各トレーニングの後の注意力とタスクのフォーカスの格付けが大幅に低くなった(p <0.001)

考察

つまり、マスクをつけた慣れない状況下での筋トレは不快感などが伴う。そのため、集中力は低下する。

マスクにより呼吸が制限されたことで軽い頭痛が伴うケースもある。

一方で血中尿酸値が優位に低下したため、筋疲労を起こしにくい可能性がある。

瞬発的なパフォーマンスの場合はマスク着用しても成績が変わらない。という内容です。

 

後編へ続く

おすすめの記事