ボディビルダーは多くの男性が憧れる肉体を持っています。私自身、いつかはフィジーク等の大会に出場できるようなカッコいい肉体を欲しいと日々筋トレに励んでおります。
しかしながら、皆様も1度は聞いた、言われたことがあるでしょう。
「ボディビルダーの筋肉は使えない筋肉である」
それは、彼らが有している肥大させた筋肉は見た目ほどの重量を持ち上げる等の実務の向いていないからと言われています。
今回はそんな内容の論文を紹介したいと思います。
論文紹介
文献名:Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men
(筋トレはトレーニングを受けた男性の筋肥大を促すが、筋力を強化するものではない)
公開日:2018年12月14日
この論文はニューヨーク市立大学の健康科学科研究員のBRAD J. SCHOENFELDらによって発表されたものです。
実験方法
34人の健康な男性を以下3グループにランダムで分けました。
実験グループ分け
・《低ボリューム》各セッションを1セットごと行う(11名)
・《中ボリューム》各セッションを3セットごと行う(12名)
・《高ボリューム》各セッションを5セットごと行う(11名)
評価法:スクワットおよびベンチプレスの1回の繰り返し最大(RM)テスト
結果
結果から著者らの考察
・週に39分(3回の13分間のセッションの)筋トレを実行するだけで筋力レベルを著しく向上させることができ、5倍の時間のコミットメントで達成される成果と同等のものが得られる。
・筋力の増加には1RMを3セット以上のボリュームがより効果的である。
・筋肥大はトレーニング量に比例するが上半身の筋持久力は必ずしも比例しない。
分かりやすく説明すると・・・
筋トレを行う男性を低、中、高ボリューム別に筋トレ評価を行い、プロトコル間の筋肉適応をデータ化しました。
つまり、筋トレのボリュームが多いほど筋肉量が増えます。ならば、筋肉量の増加率が高いボリュームほど最大重量や筋持久力が伸びるはずである。と考えられます。
言い換えると
「筋肉量が増加した人ほど筋力や筋持久力が高いはずである」という仮説になります。
そのため、 各筋トレで使用される筋肉郡→肘屈筋; 肘伸筋; 太もも; 外側の太ももと細分化し評価した。
結果、ボリュームが多いほど筋肉量が増えるという点は肯定ないし優位的なデータが出た。
しかしながら、ベンチプレスやスクワットなど多関節運動における筋力評価では比例したデータとはならなかった。
要は、体がデカいからと言って複雑な多関節での運動はそのデカさに比例した効果は発揮しにくいということです。
また、本論文では他のメタ解析の評価も行っており、もしより詳しく知りたい方は読んでみてはいかがでしょうか。以下の参考文献にURLも記載致します。
参考文献
文献名:Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men
URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6303131/
あとがき・・・
そもそも、本記事では使える筋肉と表現しましたが、ボディビルは筋肉で自己表現するスポーツであり、その世界で生きているボディビルダーにとって使える筋肉とは高重量のものを持ち上げることではありません。目指していない人にとっては、なかなか理解されないことだとは思いますが日本でのフィットネスブームに乗っかりマッチョへの認識も一層よくなれば変わってくるかなと期待して本記事を書かせて頂きました。