【ヴィーガン】筋トレにおける効果の最新情報!【ベジタリアン】

ヴィーガンって何?

ヴィーガンとは、“徹底した”菜食主義のことで、「完全菜食主義者」と訳されることが多くあります。肉や魚、卵・乳製品などの動物由来の食材を摂取しないという特徴があります。

「ベジタリアン」と混同されがちですが厳密にはベジタリアンと同じというわけではなくベジタリアンに属する一種との見方をされているようです。

海外セレブがヴィーガンを公言したことで広く世間に普及した考えた方で、アリアナ・グランデやナタリー・ポートマン、ポール・マッカートニーなどは有名です。

日本でもタレントがヴィーガンを始めており、市川海老蔵(歌舞伎俳優)やローラ(モデル)など多くの有名人が公言しております。

 

ヴィーガンって健康?

「野菜を食べているのだから健康にきまっている!」と考えられる方もいるかと思います。

しかし、私たちが普段摂取している栄養素を大きく分類した3大栄養素でいう炭水化物・脂質・タンパク質のうちヴィーガンで栄養不足になりやすいものがあります。

 

それは「タンパク質」です。

 

タンパク質が豊富とされる食材の代表といえば肉・魚・卵といった動物性食品が主になります。そのため、それらを摂取できないヴィーガンはタンパク質不足が懸念されるのです。

では、彼らはどのようにタンパク質を摂取しているのでしょうか。

答えは簡単で大豆やアーモンド、豆乳をはじめとした植物由来のタンパク質を摂取しているのです。

最近では大豆から作られた肉に近い食感のある大豆ミートなども開発されており、菜食主義の方が生活しやすい環境が整ってきています。

 

菜食主義でも筋肉はつく?

もちろん、菜食主義を唱える方の中にはボディービルをされている方も多くいます。

ジョン・ヴィーナス氏やトーレ・ワシントン氏、ブライアン・ターナー氏など多くの菜食主義ボディービルダーがトレーナーやユーチューブなどで広く活躍しております。

上:ジョンヴィーナス 下:ブライアンターナー

また、ヴィーガンのボディビルダーチーム「PLANT BUILD」では

「動物の犠牲がなくても筋肉はちゃんと作ることができる!環境保護のためにできることを考えよう!」と訴えております。

ヴィーガンより肉食のほうが筋肉が付きやすいんじゃないの?(研究紹介)

タイトルのように考えられる方もいらっしゃるかと思います。

では、ここではそんな疑問を解消できる研究を紹介しようと思います。

 

文献名:High-Protein Plant-Based Diet Versus a Protein-Matched Omnivorous Diet to Support Resistance Training Adaptations: A Comparison Between Habitual Vegans and Omnivores

(筋トレの適応をサポートするための高タンパク植物ベースの食事と、それに見合ったタンパク質を含む雑食の食事。菜食主義者と雑食主義者の比較)

 

この研究はブラジルにあるサンパウロ大学のヴィクトリア氏らによって発表され、2021年にSports Medicine誌に掲載されたものとなっております。

 

目的

筋トレを行っている健康な若年男性の筋量および筋力の変化に、食事のタンパク質源(植物性のみの食事と混合食)が与える影響を調査する。

 

対象

・菜食主義者の青年19名(VEG 26±5歳、72.7±7.1kg、22.9±2.3kg/m2)

・雑食主義者の青年19名(OMN 26±4歳、73.3±7.8kg、23.6±2.3kg/m2)

 

プロトコルと評価

上記対象にそれぞれ週2回、12週間の筋トレプログラムを実施した。研究開始時に習慣的なタンパク質摂取量を評価し、補助的なタンパク質(VEGは大豆、OMNはホエイプロテイン)を用いて1.6g/kg-1 day-1に調整した。介入期間中は、4週間ごとに食事の摂取量をモニターした。介入前(PRE)と介入後(POST)に、脚の除脂肪量、全筋、筋繊維の断面積(CSA)、およびレッグプレス1RMの評価を行った。

 

結果

両群ともに、PREからPOSTにかけて、脚の除脂肪体重(VEG1.2±1.0kgOMN1.2±0.8kg)、大腿直筋CSAVEG1.0±0.6cm2OMN0.9±0.5cm2)、外側広筋CSAVEG2.2±1.1cm2OMN2.8±1.0cm2)、外側広筋CSAVEG2.2±1.1cm2OMN2.8±1. 0 cm2)、外側広筋の筋繊維タイプIVEG741±323μm2OMN677±617μm2)とタイプIICSAVEG921±458μm2OMN844±638μm2)、レッグプレス1RMVEG97±38kgOMN117±35kg)で、いずれの変数も群間差はなかった(いずれもp0.05)。

 

結論

高タンパク質(~1.6 g kg-1 day-1)の植物性食品のみの食事(植物性全粒粉+分離大豆タンパク質の補給)は、筋力と体重の増加をサポートする上で、タンパク質をマッチさせた混合食(混合全粒粉+ホエイタンパク質の補給)と差がなく、十分な量のタンパク質を摂取しているトレーニングをしていない若年男性においては、タンパク質源はレジスタンストレーニングによる適応に影響を与えないことが示唆された。

 

つまるところ、ヴィーガンでも植物由来のタンパク質をしっかりと摂取していれば筋トレの成果は普通食の人と比べても遜色ない結果が得られるということが示されています。

 

参照元

High-Protein Plant-Based Diet Versus a Protein-Matched Omnivorous Diet to Support Resistance Training Adaptations: A Comparison Between Habitual Vegans and Omnivores

https://link.springer.com/article/10.1007/s40279-021-01434-9?fbclid=IwAR0aEMqJiFZhRYNHER2YUSEi-vlKxfZWijwGzNuxOcfuGCDzbICuqzDwq6g

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