みなさまご存じの刃牙シリーズ。男で知らない人はいないといっても過言ではない作品です。
「男なら、一度は誰しもが地上最強を目指すものだ」
その地上最強を突き進み続ける範馬刃牙に人々は心打たれ、そして引き込まれていきます。
今回はそんな地上最強の作品よりマウスピースというテーマで筋トレを科学していきたいと思います。
刃牙のテンプレート・マウスピース登場シーン
グラップラー刃牙1巻のほぼ冒頭に近いシーンですね。知らない方向けに説明すると、空手の大会決勝で刃牙とあたる対戦相手(末藤)の試合前の場面で、勝利を確実にするためにテンプレートを使用しております。
こちらが実際のテンプレートの画像です。末藤の付けているものと全く一緒ですね。
NPO日本テンプレート研究会によると「テンプレートは1.そしゃく筋を伸ばす装置であり、2.頭を後方に移動させ、首の骨の矯正装置です。この二つが大きな作用で、薬でないのに様々な症状や病気を改善します。」とされています。
また、効果についても以下の内容が記載されています。
運動能の向上:あらゆる運動がスムースに行え、筋力や反射速度が向上する
では実際に30%もの上昇効果があるのでしょうか?
テンプレートに関する文献は見つからなかった為、マウスピースに焦点を当てて紹介していきたいと思います。
マウスピースには効果がない??
(レクリエーション用に訓練された男性の強度とパワーに対する市販の噛み合わせマウスピースの急性効果)
2014年発表されたこの論文では、市販の非傷害予防性能マウスピースがパワーと強度の実際の急性性能測定値に及ぼす急性効果を検証したものです。
②評価法:最大反動垂直ジャンプ(CMVJ)および、1RMベンチプレス運動をマウスピースあり(MP)およびマウスピースなし(noMP)条件下にて実施
結果
CMVJの高さ(p = 0.13)、200 msでのRFD(p = 0.09)、PF(p = 0.08)、および1RMベンチプレス(p = 0.45)の条件に有意差は認められませんでした。
マウスピースには効果がある??
(健康な若い男性の強さに及ぼすカスタマイズされた咬合整列マウスピースを装着した状態での顎の噛みしめの影響)
顎の噛みしめで促進される同時活性化増強(CAP)と呼ばれる現象は、スポーツにおいて筋力や瞬発力を強化することがあります。マウスピースはCAPをより増強させるといわれており、本研究では個別にカスタマイズされたマウスピース(MP)を装着した状態でのCAPを、ジャンプ能力および等尺性最大強度テストにて検証しております。
②評価法:(a)ジャンプ、(b)ハンドグリップ、(c)同じ条件での後列運動BRWをマウスピースの有無で統計分析する
結果
Vertical Countermovement Jump
There were significant effects for conditions in CMVJ-meanpower (F(2,54) = 8.04, p ≤ 0.05;
Hand Grips
A significant effect was found for condition in HG-peakforce (F(2,54) = 32.71, p ≤ 0.05;
Back-Row Isometric Force
There was a significant effect for condition in all variables analyzed in BRW: BRW-peakforce (F(2,54) = 13.74, p ≤ 0.05;
まとめ
市販のマウスピースでは効果がみられなかった(1つ目の文献)のに対して、個別にカスタマイズされたマウスピースにおいては各種目において優位的にマウスピースに効果があることが実証されました(2つ目の文献)。
つまり、末藤が着用したカスタマイズされたテンプレートは末藤の力を優位的に向上させることがわかります。
しかしながら、2つ目の文献結果より有意差といっても1割程度の上昇であり比率30%は大げさであると言わざる負えないということが判明しました。
それでも末藤のポテンシャルは十分強いのですがね・・・