➀はじめに…
クリスマスをみなさま、いかがお過ごしの予定でしょうか?また、どのように過ごされたでしょうか?
私のブログに辿り着いている筋トレ民の方々はもちろん筋トレですよね。
かくいう私も毎年、クリスマスは大胸筋の日となっております(涙?)
さて、そんな筋トレ民のみなさまはソリというと何をイメージしますでしょうか?
トナカイでしょうか?それともサンタでしょうか?
もちろん違いますよね!
おそらく、こんなイメージをされたのではないでしょうか。
そう!ソリ引きトレーニングです!
日本では昔から高校球児がタイヤを引いて走るイメージがありますね。
あれも一種のソリ引きトレーニングです。
今回はそんなソリ引きトレーニングについての海外文献を紹介しようと思います。
また、過去にスポーツ選手向けの内容を掲載しております。ぜひ合わせてご覧ください。
➁ソリ引きトレーニングは有効なトレーニングか?
文献名:Relationships between Resisted Sprint Performance and Different Strength and Power Measures in Rugby Players
(ラグビー選手の抵抗スプリントのパフォーマンスと異なる筋力・パワー測定値との関係)
この研究はアルゼンチンのブエノスアイレスにあるフロレス大学のサンティアゴ氏らによって発表され、2020年3月にMDPI Journal に掲載されたものとなっております。ほぼ全文がWEB上で読めるため、興味のある方は本ページ末尾にある参考よりURLからどうぞ。
目的
本研究では以下の2点を目的に行われています。
- ラグビー選手の等尺強度スプリント試験:SIST(一定の重りを引いてスプリントする試験)と非抵抗最大速度:Vmax(単純な短距離走の最大速度)の関係性の解析
※高重量の重りを引いて走れる人は単純な走力もあるのかという検討です。
- 異なる負荷条件でのスプリント時間、およびレジステッドスプリントトレーニング(RST)中に使用される速度損失(Vloss)荷重との関係を調査すること
※どの負荷条件が重りを引いて走る速度損失や時間に繋がるかという検討です。
対象
5年以上の競技経験がある20名の健康アマチュアラグビー選手
(年齢:22.5±5.3歳;身長:1.80±0.05m;体重:80.2±15.2kg)
プロトコルと評価
・対象の20名は本研究に疲労を影響させないため、本研究前に72時間の休息を取得した後に2日間続けて本研究は行われた。
・1日目:30 mのスプリントテストを異なる荷重(体重の0%、20%、40%、60%、および80%を無作為に適用)で実施、各意図された最大速度の損失条件(10%、30%、および50%)を達成するために必要な荷重を特定した。
・2日目:逆運動ジャンプ(CMJ)、スクワットジャンプ(SJ)、および1RMスクワットおよび等角法(スクワットおよびSIST)強度評価が行われた。
図:SIST試験
結果
重りを引くパワーは1RM-スクワットとアイソメトリックスクワット(イメージ:マシンでのスクワット)の間に中程度の相関関係(r = 0.453~0.681; p < 0.05)を明らかにしました。
また、体重の重い選手ほど、重りを持続的に引っ張るパワーが重りの重量との間に中程度の相関関係(r = 0.508~0.675; p < 0.05)を示した。
そして、解析においてジャンプの高さと引っ張る力の相関関係が示されたほか走力との相関も示されております。
➂まとめ
本研究において、ソリ引きトレーニングは中程度の相関としてスクワットや走力、ジャンプの高さ等が挙げられております。本研究では30mでのスプリントテストであったことから、走力としては瞬間的な短距離での走力となります。そのため持久力は図れるものではありません。しかしながら、ラグビーをはじめ、サッカーや野球など多くのスポーツではそれらが必要となる場面が多く存在します。
つまるところ、言い換えるならばソリ引きトレーニングはスクワットや短距離走において補完的なトレーニングとなることが考えられるほか、HIITトレーニングにもなりえる可能性を感じます。
本研究より…瞬間の走力やジャンプ力、引っ張る力が欲しい選手のポイントとしては以下3点を意識してみてはいかがでしょうか!
1)体重を重くする(タンパク質量を意識し筋力含めた全体の増量を目指す)
2)ソリ引きが難しければ、スクワット1回の最大重量を伸ばす
3)短距離走のHIITを実践
参照
本文献引用
https://www.mdpi.com/2075-4663/8/3/34/htm